【J2】J1昇格・参入プレーオフとは

J2リーグのシーズン終盤、J1への昇格の可能性やJ3への降格の可能性などが見えてきて

試合を重ねていくにつれて、徐々に現実味を帯びてきます。

ラスト10節となると、可能性から現実に代わっていく節目といっても過言ではありません。

中でもシーズン終了後に開催される、J1昇格へのプレーオフは例年特に盛り上がります。

そんなJ1昇格・参入プレーオフの仕組みや、過去の昇格クラブなどについて説明していきます。

J2の昇格降格の仕組み

J2の昇格、降格の仕組みについてはシーズンごとに異なっています。

近年においてもコロナウイルスの影響で特例となった2020シーズン、2021シーズンだけでなく、

2023シーズンに昇格プレーオフが復活するなどかなり変化してきました。

特例を含め、現在の22チームとなった後の昇格降格の仕組みについて簡単に解説していきます。

J2昇格のチーム数

22チーム制となった2012シーズン以降、リーグ戦の上位2チームが確定でJ1へ昇格します。

上位2チームが昇格することについては、コロナウイルスの影響のあったシーズンでも変わらずに継続されています。

一方で、3位以下のJ1への昇格の仕組みや昇格の有無については大きく変化しています。

仕組みとしては大きく分けて以下の2パターンあります。
  • J1昇格プレーオフ
    • J2シーズン3位から6位のクラブでトーナメントを行い、勝ち抜いた1クラブがJ1昇格する制度
  • J1参入プレーオフ
    • J2シーズン3位から6位のクラブでトーナメントを行い、勝ち抜いた1クラブがJ1シーズン16位のクラブと決戦を行う制度
      (決戦でJ2クラブが勝利した場合はJ1で16位のクラブと入れ替えでJ1昇格)
      (決戦でJ1クラブが勝利した場合はJ1クラブがJ1に残留し、J2クラブは次年度もJ2で戦う)
記載のとおりJ2からJ1に昇格するには2つのプレーオフが運用されてきました。

J2から3クラブがJ1昇格を約束されているJ1昇格プレーオフと、

J2から2クラブもしくは3クラブがJ1昇格を果たせるJ1参入プレーオフ。

J1参入プレーオフは、J2からJ1に上がれる保証がないため、昇格数2.5クラブなどともいわれています。

そんなプレーオフについて、ここからは2つの異なるプレーオフの運用の詳細について解説していきます。

2012~2017シーズン(J1昇格プレーオフ)

2012から2017シーズンの6年間は、J1昇格プレーオフという形でJ2リーグ上位2チーム以外にもJ1昇格のチャンスが与えられました。

J1昇格プレーオフの概要について説明します。
J1昇格プレーオフの内容
J1昇格プレーオフに参加できるクラブはその年のJ2リーグ終了後に、リーグ戦の最終結果が3位から6位のチームに対して行われます。

特徴としては、プレーオフを勝ち抜いたクラブは必ずJ1に昇格できるということです。自動昇格する上位2チームと合わせると、この6年間はJ2から3チームが昇格したことになります。

逆に考えると、J1のクラブは下位3チームが降格するということになります。

J1昇格プレーオフは、トーナメント形式となっており、昇格するには3位から6位のクラブとの他クラブとの戦いを勝ち抜く必要があります。

初戦は3位と6位のクラブ、4位と5位のクラブが当たり、勝者が決勝戦で当たることになります。

決勝戦で勝利することで、J1昇格が決定します。

J1昇格プレーオフの勝利の定義は独自のものとなっており、90分戦って同点の場合は延長戦やPK戦は行わずに、年間順位が上位のクラブが勝利となります。

2018~2019,2022シーズン(J1参入プレーオフ)

2018、2019シーズンはJ1参入プレーオフという形でJ2リーグ上位2チーム以外にもJ1昇格のチャンスが与えられています。

2020、2021シーズンも本来であればJ1参入プレーオフを行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、実施は見送られました。

2022シーズンにはJ1参入プレーオフは3年ぶりに復活することとなりました。

2012~2017シーズンの"J1昇格プレーオフ"と2018,2019シーズンの"J1参入プレーオフ"は名前や仕組みは似ていますが、明確な違いがあります。
J1参入プレーオフの内容
J1昇格プレーオフでは、J2のシーズン終了時の3位~6位のクラブで昇格を競い合い、優勝したクラブがJ1に昇格する仕組みと紹介してきました。

一方で、J1参入プレーオフはJ2のシーズン終了時の3位~6位のクラブで昇格を競い合い、トーナメント形式で2勝したクラブを決定するというところまでは同じですが、勝利したクラブはそのあとにJ1のシーズン16位のクラブとの試合があり、そこでも勝利する必要があります。

J2クラブがJ1に昇格するには、J1シーズン16位のクラブとの戦いにおいても、得点で上回る必要があります。負けはもちろん、引き分けの場合もJ1昇格失敗となり、逆にJ1クラブはJ1に残留成功となります。

リーグ戦同様に、J1参入プレーオフにおいてもDAZNに加入していればリアルタイムでも後からでも視聴することが可能です。

過去のプレーオフ参加クラブ

2012年以降でJ1昇格プレーオフ、J1参入プレーオフに参加したクラブは下記のとおりです。

まずは、J1昇格プレーオフに参加したクラブを見ていきます。

赤で着色しているクラブがそのシーズンにJ1に昇格したクラブです。

J1昇格プレーオフ参加クラブ

年度J2:3位J2:4位J2:5位J2:6位
2012京都横浜FC千葉大分
2013京都徳島千葉長崎
2014千葉磐田北九州山形
2015福岡C大阪愛媛長崎
2016松本C大阪京都岡山
2017名古屋福岡東京V千葉
※2014年北九州はJ1規格を満たしたスタジアムでなかったため、昇格プレーオフ出場権利無し。
シーズンの順位が上位のクラブが基本的に優位ですが、シーズン順位を覆してJ1昇格をつかむクラブもあり、ここぞの勝負強さを持っているクラブが勝ち上がっています。

J2で6位の場合もJ1昇格の希望があることがわかりますね。

逆に、シーズン5位のクラブは昇格したことがなく、5位は昇格できないというジンクスがあるともいわれていました。

5位が昇格できないというジンクスは、J1昇格プレーオフがJ1参入プレーオフに変更になった2018年以降も引き継がれることになります。

そして、J1昇格プレーオフは2023シーズンに復活することとなります。

2024シーズンからJ1、J2、J3それぞれのカテゴリでのクラブ数が20クラブで統一されることから

J2クラブは22クラブから20クラブに減少することになります。

そこでJ2からJ1への昇格クラブ数を3クラブに増やし、反対にJ1からJ2への降格クラブ数を1クラブに減らしての運用となっています。

J2とJ3の昇格、降格クラブ数は変わらず2クラブずつとなっています。

J1参入プレーオフ参加クラブ

年度J2:3位J2:4位J2:5位J2:6位J1:16位
2018横浜FC※町田大宮大分磐田
2019大宮徳島甲府山形湘南
2022岡山熊本大分山形京都
※2018年町田はJ1基準を満たしたスタジアムでなかったため、参入プレーオフ出場権利無し。
※2020年、2021年は開催見送り。2022年は再開予定でシーズン進行中。
J1昇格プレーオフ同様、シーズンの順位が上位のクラブが優位な状況で試合が開催されています。

2018年度は東京ヴェルディが、2019年度は徳島ヴォルティスがJ2クラブの戦いを勝利し、J1で16位のクラブとの昇格をかけた戦いに挑みましたが、いずれも敗退しています。

J1昇格プレーオフでは、プレーオフを勝ち抜いてJ2からJ1に参入したクラブが1,2シーズンですぐにJ2に降格するなどJ1で戦っていけるかクラブのレベルを疑問視している声もありました。

そういう意味では、J1で16位のクラブが壁としての役目を果たしているといえますね。

コロナウイルスが落ち着いたわけではありませんが、2022年度にJ2勢にとっては待ちに待ったJ1参入プレーオフは再開されました。

初のJ1昇格を狙うロアッソ熊本が、1回戦の大分、2回戦の山形と年間順位下位の2チームとそれぞれ引き分けプレーオフ決勝に進み盛り上がりましたが、決勝でJ1年間16位の京都サンガFCと引き分け、残念ながらJ1参入プレーオフでの決勝でのJ2勢の敗退は継続されることとなりました。