【ルール紹介】ファウルとは(イエローカード/レッドカード)

ファウルをはじめとしたイエローカードやレッドカードがどんな時に出されるかを解説していきます。

Jリーグを観戦していると、1試合に数回もしくは十数回程度ファウルが発生します。

また、なんで今のプレーがファウルなの?ユニフォームを脱いだらなんでイエローカードになるの?などといった声はSNSなどでもよく聞かれます。

そんないまさら人には聞けないけど、どんなことがファウルになり、

どんな時にカードが提示されるかについて本記事では解説していきます。

ファウルについて少し詳しく知っておくことで、サッカー観戦をより楽しむことができますよ!

ファウルとは

ファウルは日本語にすると反則という意味であり、あらかじめ決められたルールにの取っていないプレーをした際などにファウルとなります。

ファールと呼ばれることもありますが、明確にどちらが正しいというものはありません。

ちなみに英語では「Foul」と表現します。

ファウルをするとどうなる

相手にファウルをうけてしまうと主審がホイッスルを吹き、プレーが一時的に止まります。

そしてファウルを受けた側のボールから試合が再開されます。多くの場合はフリーキックなどで再開されます。

具体的には、ファウルした位置で再開方法は3種類に分かれます。

ここでは、相手チームからファウルを受けたという想定で説明します。

このファウルによってプレーが中断された時間は、アディショナルタイムに追加されます。
  • シーン別:ファウルを受けるとどうなるか
    • 自陣でファウルを受けた場合
      • 自チームの間接フリーキックで試合再開されます。
        間接フリーキックは、基本的には味方へのパスが行われます。間接フリーキックから相手のゴールを狙うことはできません。仮に間接フリーキックから誰にも触られずに相手ゴールに決めたとしてもゴールは認められません。
    • 敵陣でファウルを受けた場合
      • 自チームの直接フリーキックで試合再開されます。
        直接フリーキックは、味方へのパスもしくは直接的なシュートが行われます。
        ゴール近くの直接フリーキックではキックの位置から相手選手が近づく距離を制限され、ボールの目の前でシュートを妨害するようなことはできません。
        直接フリーキックからも多くのゴールが生まれています。
    • 敵陣ペナルティエリアでファウルを受けた場合
      • ペナルティキック(PK)が自チームに与えられます。
        言わずもがなの自チームのキッカーと相手GKの1対1の勝負で、自チームにとっては得点の大チャンスとなります。

ファウルの種類

ファウルは大まかに分類すると3種類に分けることができます。

また、ファウルかと思われたがファウルにならないということもあります。

ファウルにならなかったものも含め、ファウルの種類について紹介します。
  • ファウルの分類
    • ファウル(カード無し):反則
      • スライディングを含めた相手の体へのタックルや手を使って体を押さえつけたりユニフォームを引っ張ったりして相手選手を倒したりといったプレーを阻害する行動をとるとファウルになります。
        相手を押し倒すなどではなく、ボールを奪う目的のために結果的に倒してしまったようなプレーでは反則が取られる傾向にあります。
    • イエローカード:警告
      • 相手の体に向けた体当たりなど、相手のプレーに深く干渉し倒してしまうなど危険なプレーに倒してはイエローカードが提示されます。
    • レッドカード:退場
      • 相手選手に後ろからタックルをするなど、あからさまにボールではなく相手の体を狙って怪我につながるような危険なファウルを犯すとレッドカードが提示されます。
        ボールとは関係のないところで手を出してしまうことに対してもレッドカードが提示されることがあります。
        また、後述しますがDOGSO(ドグソ)もレッドカードの対象になります。
    • アドバンテージ(ファウル無し)
      • 守備側がファウルに該当するようなプレーをしても、攻撃側が優位な状況が維持されている場合などはファウルを取られずにプレーが続行(プレーオン)されます。
        このような場合のことを、アドバンテージと呼びます。
        ファウルにしてプレーを止めるより、プレーを続行させたほうが攻撃側に有利である場合に主審はアドバンテージを採用しますが、
        いくら攻撃側が優位であっても、危険なプレーであればファウルとしてプレーが一時中断されます。

ファウルの事例

まずは、基本的なファウルの3つの基準について紹介します。
  • ファウルの3要素
    • サッカーのルールに反しているプレーをすること
    • 危険なプレーをすること
    • スポーツマンシップに反するプレーをすること
ここからは、具体的なファイルについて紹介します。

脚によるファウル

相手の体へのタックル(ファウルコンタクト)

サッカーを観戦するうえで、真っ先に思い浮かぶファウルだという人も多いのがファウルコンタクトであるといっても過言ではないでしょう。

1試合に数回ないし、多い時には数十回ファウルによりプレーが中断することがあります。

事例を挙げるときりがないですが、主に以下のようなプレーをするとファウルコンタクトとなります。
  • ファウルコンタクトの事例
    • スライディングなどのタックルによって、相手選手を倒してしまう
    • 手を使って相手選手の腕などを掴んでしまう
スライディングでは、相手の体より先にボールに先に触れるなどすれば、結果的にボールを競り合う中で相手を倒してしまったということになりファウルを取られない場合が多いです。

反対に、ボールより先に相手の体に触れてしまったりした場合はファウルを取られ、故意に相手を倒した場合やケガにつながるような危険なプレーであった場合はイエローカードやレッドカードが提示されることになります。

相手に足をかける(トリッピング)

相手に足をかけて転倒させたり、足を使って直接相手の自由を奪ったりしてしまうとファウルになります。

球際の競り合いや、相手に抜かれそうになった時に思わず足を出してしまったなどといったシーンで見られるプレーです。

相手を蹴る(キッキング)

狙ったわけでなくても、相手選手を蹴ってしまうとファウルになります。

直接的に相手選手の怪我につながるようなプレーで、軽度であってもファウルがとられる可能性が高いです。

また、危険なプレーに対してはカードが提示されることも多く、意図的に選手を蹴ったなど悪質なプレーであればレッドカードが提示されます。

相手選手を踏みつける(スタンピング)

相手選手の足を踏んでしまうとファウルになります。

球際の競り合いの中でよく見られるファウルで、サッカーのスパイクで踏まれると1点に体重が集中するためかなりのダメージとなります。特に、相手選手がターンしたり抜け出したりしようとした際に踏みつけてしまうことにより、足を捻って関節を痛めたり筋肉系にダメージを受けてしまうとその試合だけでなく長期離脱などにつながることも多く、起こりがちではありますがかなり危険なプレーになります。

相手に足の裏を向ける

スライディングで相手に足を向けて倒してしまうのはただのスライディングと比べてもかなり危険なプレーです。スタンピングでも説明しましたが、スパイクが体にあたることによる体へのダメージは大きく、骨折や筋肉系の怪我につながり、相手選手を長期離脱させてしまうことになりかねません。

また、相手の体にあたっていなくても足を上げすげてしまいスパイクが相手の体を蹴ってしまったり、顔の前にスパイクの裏が向くなどのプレーについてももちろんファウルとなり、イエローカードやレッドカードが提示されることも少なくありません。

手によるファウル

相手の体を掴む(ホールディング)

相手の腕や肩、腰や腹などを掴んでプレーを阻害することもファウルになります。

また、ユニフォームを掴むことも同様にファウルとなります。

フィールド上では相手との対峙で抜かれた時に腕をつかんで阻止したりするシーンや

ゴールキックで空中にあるボールを競り合う際に優位な位置取りができた選手に対して方や体を掴むといったことが見られます。

相手を押し倒す(プッシング)

手を使って相手を押し倒してしまうこともファウルになります。

フィールド上の球際の競り合いでもよく見られますし、コーナーキックからクロスが上がった際に主に攻撃側が良いポジションを取ろうと守備側の選手を押してしまいファウルとなるシーンも多いです。

押し倒さなくても、体を押してしまうことでファウルを取られることもあります。

フィールド内でフィールドプレイヤーが手でボールに触れる(ハンドリング)

ゴールキーパー以外のフィールドプレイヤーはオンプレー中は手でボールに触ることができません。

相手が蹴ったボールが偶然手にあたった場合はファウルとなり、故意に手に当ててしまった場合はイエローカードなどが提示されます。特に相手の決定機にシュートを故意に手で妨害してしまうなどをしてしまうとレッドカードが提示されます。2018年のワールドカップロシア大会の日本代表の初戦で香川真司選手のシュートをペナルティエリア内でコロンビアの選手が手で防いでしまったことでレッドカードになったことなどが記憶に新しいです。

ちなみに、フィールドプレイヤーが手でボールを触れてよいタイミングは以下のタイミングです。
  • フィールドプレイヤーがボールを手で触れてもハンドにならない場合
    • スローインをする場合
    • ファウルでプレーが止まった場合(フリーキックのためのボールのセットなど)
    • ペナルティキック(PK)でボールをセットする場合
ちなみに、ハンドになるのは肩を含まない腕から指先までの範囲にボールが当たった際にとられますが、

脇や腕、手が体にぴったりついていればハンドの判定にならない場合もあります。

ゴールキーパーがペナルティエリア外で手でボールに触れる(ハンドリング)

プレー中にゴールキーパーはペナルティエリア以外のフィールドで手を使うことはできません。

サッカーの基本ルールですが、故意に触れてしまった場合はカードが提示されます。

ゴールキーパーが味方のパスを手で触れる(ハンドリング)

ゴールキーパーはペナルティエリア内であっても味方が蹴ったパスを手で触れてはいけません。

サッカーの基本ルールであるため、ほとんどファウルになるシーンは見られませんが、本当にごくまれに味方のバックパスを手で触ってしまうなどのファウルがとられることがあります。

ペナルティエリア内であれば相手のPKとなります。

一発退場になるファウル

暴力行為

プレーとは関係なく相手選手を殴る、蹴るなど暴力行為をしてしまうと基本的にはレッドカードが提示され、一発退場となります。

他にも、相手に頭突きをすることもファウルになります。知っている人は知っていると思いますが、2002年ワールドカップ日韓大会のフランス代表のジダン選手の頭突き一発退場など国際大会でも起きたことがが印象的です。

DOGSO

DOGSOはドグソと読み、Denying an Obvious Goal Scoring Opportunityの略です。

日本語にすると決定的な得点機会の阻止という意味合いで、Jリーグでは2018年から使用されるようになった比較的新しいルールです。(国際的には以前からあったルールです)

ファウルがDOGSOと判断されると、レッドカードが提示されます。

DOGSOがレッドカードになる理由としては、攻撃側が圧倒的に優位で得点になるような決定的なシーンをファウルで止めてしまうことがスポーツマンシップに反した悪質なプレーであるということでしょう。

かなりざっくりした説明ですが、サッカーにおいて1点は試合結果を左右する非常に重いものとして位置づけされているため、このような厳しい措置になっています。

ただし、DOGSOになるのはペナルティエリア内やエリア付近でボールを持った攻撃側の選手と守備側のゴールキーパーが1対1になるようなシーンを阻止した場合などに限られるため、頻発するものではありませんが、守備側はそのような決定機を作られる前に南都がボール奪取をしたいところになります。

ルール違反によるファウル

オフサイド

サッカーのルールとして基本中の基本ではありますが、オフサイドもファウルの一種です。

ただし、オフサイドを正しく理解していない人も意外と多く、またルールも最近変わったばかりなのでより分かりづらいものとなっています。

抑えておくべきポイントとしては、以下の通りです。
  • オフサイドになる条件
    • 相手陣内(守備側)であること
    • ゴールキーパーを含め、相手の後方から2人目より前にいる攻撃側の選手に味方がパスを出すこと
    • 上記がパスを出した瞬間に発生していること
シーンとしては、相手ゴールキーパーと1対1になるようなパスを出してしまうとオフサイドになります。混戦の中であっても、セットプレーであっても上記3つの条件を満たしてしまうとオフサイドになります。

相手の後方から2人目より前にいる選手をオフサイドポジションにいる選手と表現します。

オフサイドポジションにいること自体は違反ではありませんが、上記のようにボールを受けてしまったり、パスでなくても後方から放たれたシュートがポストに当たって、オフサイドポジション煮る選手が拾ってもオフサイドになります。

また、ボールに直接触っていなくてもオフサイドポジションにいる選手がプレーに関与したと判定されればこの場合もオフサイドと判定されます。
おまけ:オフサイドの新ルール
オフサイドはこれまで、パスが出された瞬間に攻撃側のボールを受ける選手の腕と手を除いて体の一部が少しでも守備側の選手の前に出ていればオフサイドと判定されていました。

一方で、新ルールでは反対にパスが出された瞬間に攻撃側のボールを受ける選手の腕と手以外が少しでも守備側の選手の後ろや同じ位置に残っていればオフサイドと判定されなくなります。

2023年時点ではJリーグに本格導入はされていませんが、導入されればオフサイドが減少することになることは間違いないでしょう。

許可されたプレイヤー以外がピッチに入る

試合中のピッチ内には双方のチームのプレイヤー11名ずつと主審1名の計23名以外以外は立つことはできません。

副審(線審)などの他の審判もピッチ内に立っていないことは試合を見ての通りです。

例外としては、選手が怪我や脳震盪を起こしたときに選手をピッチ外に担架などで運び出す際に医療スタッフなどの進入は許可されています。

ファウルになるシーンとしては、監督やコーチなどのスタッフが熱くなってピッチ内に侵入してしまった場合などが実際の試合で起きています。このような場合はイエローカードが提示されます。

また、交代でアウトする選手がピッチ外に出る前に、交代でインする選手がピッチ内に入ることもルール違反となります。

スポーツマンシップに反したことによるファウル

遅延行為

サッカーの試合でよくみられるファウルの1つとして遅延行為があげられます。

遅延行為はスポーツマンシップに反した行為として、イエローカードが提示されます。

特によく見かけるシーンとしては、試合終盤にリードしているチームのゴールキーパーが、ゴールキックの際になかなかプレーを再開させずに試合終了まで時間を稼ごうとするようなシーンを見かけます。

また、同様にサイドラインを割った際に、スローインでボールを中々投げずに時間を稼ぐこともイエローカードが提示されます。

プレー以外の事で相手に攻撃の時間を与えないことはNGということです。

逆にプレーの中であれば、コーナーフラッグ付近で味方でボールを囲むようにして相手にボールを触らせないような行為は遅延行為ではなく守備とみなされ、ファウルにはなりません。

審判への暴言

審判も人間なので、完全な判断が常にできるわけではなく、見えないところで起きている反則行為などを見落とすことや、過度に厳しい判断を下してしまうこともあります。

試合をしている中では少なからず審判の判定に不満を持ってしまう場面はあります。

そのような判定に選手は不満に思い、特に熱くなってしまうと審判への批判や暴言を吐いてしまうということもしばしばみられます。

判定に対しての只のアピールではファウルにはめったになりませんが、審判への暴言はイエローカード、ひどい場合にはレッドカードが提示されることもあります。

シミュレーション

相手選手の足がかかったり、タックルを受けていないのに倒されたフリをしたり、痛がる演技をすることは審判だけでなく周りの選手や観客を騙し、試合の進行を妨げる悪質な行為です。

明らかなシミュレーションは審判にも見抜かれ、イエローカードが提示されます。

さらに、審判の指示に従わなかったり、暴言を吐いたりするとレッドカードが提示されます。

ユニフォームを脱ぐ

試合中にユニフォームを脱いでしまうこともイエローカードの対象になります。

ゴールを決めた直後に選手が興奮してユニフォームを脱ぐシーンなどが特に目立ちますが、

警告の対象になる理由としてはユニフォームを脱ぐことによる試合時間の喪失と観客が過度に興奮して暴れてしまうなどのセキュリティ面が理由となっています。

最後に

サッカーの基本的なルールから、DOGSOなど近年できたルールやユニフォームを脱ぐとなぜイエローカードが提示されるのかなど意外と知られていないものまで、それぞれのファウルについて解説してみました。

ファウルがどんなときに発生するのか、イエローカードやレッドカードはなぜ提示されるのかを知っておくことでサッカー観戦をより楽しむことができます。

最後までご拝読ありがとうございました!

少しでもサッカー観戦が充実したものにつながれば嬉しいです。