どこのクラブのホームスタジアムでもない国立競技場。
それでありながら、Jリーグでは数多くの試合が開催され、圧倒的な集客力を誇る日本の首都のスタジアムである国立競技場のアクセスと特徴について解説していきます。
目次
国立競技場の概略
スタジアムの略歴
言わずと知れた国立競技場。今の国立競技場は東京オリンピック2020(開催は2021年)のメイン会場として使用されたことは記憶に新しいと思います。
また1964年の東京オリンピックで使用されたのも国立競技場です。あえて言うとしたら、東京オリンピック2020に向けて一度取り壊されているため、旧国立競技場と表現します。それに対し、今の国立競技場は新国立競技場と表現します。
ザックリとした略歴を紹介します。
- 1958年
- 旧国立競技場、開場
- 1964年
- 旧国立競技場、東京オリンピック1964のメイン会場で使用される
- 1993年
- Jリーグ開幕戦(ヴェルディ川崎vs横浜マリノス)で使用される。以降、カップ戦の決勝戦などで使用されるように。
- 2014年
- 旧国立競技場、閉鎖。取り壊しへ。最後のJリーグ使用はヴァンフォーレ甲府vs浦和レッズ
- 2019年
- 旧国立競技場跡地に、新国立競技場が開場
- 2020年
- スポーツとしての新国立競技場の使用は天皇杯決勝、ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ
- 2021年
- 新国立競技場、東京オリンピック2020のメイン会場として使用される
スタジアムの所在地
国立競技場は東京都新宿区の霞ヶ丘町にあります。
周りには明治神宮外苑のほか、東京体育館、明治神宮野球場、秩父宮ラグビー場などスポーツ施設が揃っており、落ち着いた雰囲気があることから都心にありながらも喧騒とは切り離された空間といった印象があります。
国立競技場の基本情報
スタジアム正式名称 | 国立競技場 |
Jリーグスタジアム呼称 | 国立 |
スタジアム愛称 | 国立(こくりつ) |
ホームクラブ | ー |
所在地 | 東京都新宿区霞ケ岡町10-1 |
開場 | 2019年12月21日 |
スタジアムライセンス | J1,ACL |
スタジアム形態 | 陸上競技場兼球技場 |
収容人数 | 約68,000人程度 |
構造 | 三層式 |
屋根 | 全座席あり |
アクセス候補駅 | (都営大江戸線)国立競技場駅 (東京メトロ銀座線)外苑前駅 (JR総武線)千駄ヶ谷駅 |
国立競技場の特徴
スタジアムとしてはJリーグのどこのクラブのホームスタジアムでもありませんが、東京都心という唯一のプロサッカースタジアムは集客力という点で日本一だということは紛れもない国立競技場の特徴だと言えます。
日本代表戦などの国際サッカー試合やJリーグでの活用事例も多く、記録的な入場者数を連日のように叩き出しています。
特に目を引く事例が、2024年にプロサッカーリーグで4部に相当するJFLの試合で国立競技場が会場として利用された際に入場者数16000人以上を記録したことです。様々な好条件があったにせよJFLでもJ1リーグの試合と同等かそれ以上の集客ができてしまうのが国立競技場の魅力です。
国立競技場の用途
国立競技場はサッカーでの利用はもちろんの事、他にもラグビーや陸上競技などのスポーツの会場などで使用されています。
また、アーティストのコンサート会場などの大規模なイベントにも利用されています。
Jリーグとしての国立競技場の扱い
国立競技場はJリーグのどのクラブのホームスタジアムではない中立的なスタジアムという位置づけとなっています。 下部リーグであるJFLや地域リーグも同様にホームスタジアムに指定しているクラブはありません。 ただし、ホームスタジアムではないものの、ホームゲームとしてJリーグの試合が数回開催されています。 鹿島アントラーズや清水エスパルスのホームゲームが開催されるなどこれまでも複数の試合が開催されてきました。中でもホームタウンから遠く離れたヴィッセル神戸のホームゲームが開催されるなどの事例も過去にはあります。J2でもFC町田ゼルビアと東京ヴェルディの東京ダービーが開催されたことも記憶に新しいです。 例外的にホームスタジアム指定された例としては、ACL2023-24に出場したヴァンフォーレ甲府が本来のホームスタジアムであるJITリサイクルインクスタジアムがACL利用基準を満たしていないため、代替として基準を満たしている国立競技場を指定したという事例があります。Jリーグの試合ではJITリサイクルインクスタジアムが使用されたものの、ACLのグループステージ3試合とノックアウトステージのホームゲームでは国立競技場で試合が開催されます。 国立競技場がどこのクラブのホームスタジアムにも指定されていないというのと、どこのクラブのホームゲームでも開催できること、国立競技で推しのクラブの試合が開催されるという特別感、都心のスタジアムであることからも首都圏一円からのアクセスが抜群に良いこと、圏外からアクセスする場合でも、羽田空港や東京駅からのアクセスも良好であることが国立競技場開催のゲームで記録的な集客につながっているものと考えられます。
国立競技場の座席
国立競技場は収容人数68,000人を誇る大規模スタジアムです。 陸上競技場との兼用球技場ということもあるため、全座席共通で最前列からピッチまでの距離があります。 他にも特徴としては、3層に分かれた観客席とメインスタンドがピッチを正面に弧を描くように中央が膨らんでいることにあります。 また、観客席はベンチではなく全席個席となっており、全座席を覆うようにドーナツ状の屋根もついているため多少の雨では濡れずに観戦は可能です。 観客席の構造やピッチの見え方としては、日産スタジアム(こちらは2層式で72,000人収容)が近いような印象です。 どの座席からも言えることですが、対面の観客席が巨大な壁のように見えるのが特徴的です。
座席には統一された色合いが使われることや、地名が浮かび上がるように一部の配色を変更しているようなスタジアムが多い中で、白、緑、クリーム色、茶色などナチュラル系の色がまばらに配置されているのも国立競技場の特徴です。自然な色合いからは落ち着いた雰囲気を感じられます。
スタジアムへのアクセス
国立競技場への公共交通機関を用いたアクセスは都心らしくいろいろな選択肢があります。 近郊からのアクセスと遠方からのアクセスという観点で解説していきたいと思います。 また、国立競技場には一般利用できる駐車場はないため、車で来場する場合は近隣の有料駐車場への駐車が必要です。
近郊からの国立競技場へのアクセス
- 近郊からのアクセスのポイント
- (JR)千駄ヶ谷駅:JRユーザーや遠方からの来場者におすすめ。国立競技場千駄ヶ谷門まで徒歩5分。
- (JR)信濃町駅:JRユーザーからのもう一つの来場駅。国立競技場青山門まで徒歩5分。
- (地下鉄大江戸線)国立競技場駅:最寄り駅。A2出口からは徒歩1分。
- (地下鉄銀座線)外苑前駅:渋谷に直通。2A出口からは徒歩9分。
JR総武線:千駄ヶ谷駅、信濃町駅
JRからは千駄ヶ谷駅と信濃町駅からアクセスできます。 どちらも総武緩行線の駅で、中央線快速は停車しません。 スタジアムへの近さとしては千駄ヶ谷駅からも信濃町駅からも徒歩5分程度であり差はありませんが、千駄ヶ谷駅は千駄ヶ谷門(北サイドスタンド側)、信濃町駅は青山門(バックスタンド側)に接続しているなどの違いがあります。 千駄ヶ谷駅のからは改札前の信号を渡って一本道なのでわかりやすくアクセスできるという点と国立競技場のメインスタンド入口である中央門が千駄ヶ谷駅の方が近いという理由で遠方から初めて来場される方には千駄ヶ谷駅をお勧めします。
都営大江戸線:国立競技場駅
国立競技場駅は駅名の通り、国立競技場の最寄り駅です。 A2出口から出ると目の前が国立競技場となっており、スタジアムへの道のりは迷うことはありません。
東京メトロ銀座線:外苑前駅
渋谷や新橋から乗り換えなしでアクセスできる外苑前駅からも国立競技場へアクセスが可能です。 駅から徒歩9分と大江戸線と比べるとスタジアムまで距離はありますが、十分良好なアクセスだといえます。 銀座線では隣の青山一丁目駅で大江戸線に乗り換えて国立競技場駅で下車することも可能です。
遠方からの国立競技場へのアクセス
新幹線:東京駅
新幹線で東京駅で乗り換える場合は、中央線快速に乗って四ツ谷駅で総武緩行線に乗って千駄ヶ谷駅で下車するのがおすすめです。 もう一つの選択肢としては、東京駅で地下鉄丸ノ内線に乗って、赤坂見附駅で銀座線に乗り換える方法です。銀座線で外苑前駅で降りるか、1つ前の青山一丁目駅で大江戸線に乗り換えて国立競技場駅で降りることもできます。 何れの方法を取ったとしても所要時間は大きく変わりませんが、新幹線からそのまま乗り換える場合はJRが楽でおすすめです。
飛行機:羽田空港
飛行機で羽田空港からアクセスする場合は、複数選択肢があります。 その中でもおすすめなのが最安のアクセス方法である、京浜急行で品川駅まで出てからJRで千駄ヶ谷駅に向かう方法です。 おすすめルート: 羽田空港→(京急)品川駅/(JR)品川駅→代々木駅(山手線から総武線に乗換)→千駄ヶ谷駅 他にも、京急泉岳寺駅で乗り換えて、浅草線と大江戸線を乗り継いで国立競技場駅まで行く方法や、空港から浜松町駅まで東京モノレールに乗って、浜松町駅から大門駅に徒歩移動して大江戸線で国立競技場駅に行く方法などもあります。
スタジアムグルメ
試合により状況は変わるとは思いますが、私が観戦した試合では国立競技場では屋内の売店のほか、キッチンカーがスタジアム外に出店していました。 屋内の売店では丼もの(すた丼やローストビーフ丼)やスナック(から揚げ、ポテト、ソーセージ、ナチョス)、クラムチャウダーなどが売られていました。ドリンクはビールや日本酒、ワイン、ハイボールなどアルコール類は広く揃っており、コーヒーやソフトドリンクなども並んでいました。 おそらくですが、多くの国立競技場での試合は大規模なものになるため、国立競技場内への入場後は途中退出(再入場)できない可能性が高く、注意しておいた方が良いと思われます。キッチンカーを利用する際は入場前に購入するようにしておいた方が確実だといえそうです。
スタジアム周辺の観光地
まずは国立競技場自体が観光地だといえます。 1964年、2021年の東京オリンピックのメイン会場であり、木材がふんだんに使用された建物自体も特徴的で美しく、外周にも新旧の聖火台の展示や東京オリンピックの歴史が刻まれており、試合を見るだけでなく散策を楽しむこともできます。また、中央門の手前にある「国立競技場」の文字が浮かび上がるレリーフはスタジアムを背景にして多くの方が写真を収める人気撮影スポットとなっています。 東京の観光スポットについてはインターネット上でもテレビでもすでに多くの情報が出回っているため、あえて触れる必要もないとは思いますが、東京は期間限定のショップやイベントが盛り沢山なため定番の観光地だけでなく事前にその時期に何がやっているかを調べるのが首都遠征で重要かなというのが持論です。 例えば、皇居の乾門開門などもその一つです。紅葉の時期だけでなく、桜が咲く時期などにも開門されることがあり、開花や色付きによって左右されるため年によって日程が異なるので事前調査をしたうえで時期に応じた遠征を楽しまれてみてはいかがでしょうか。