第102回天皇杯決勝戦を観戦してきました。
試合の結果も非常に感動的だったということもあり、今回は普段と違って観戦記を上げることにしました。
アウェイサポーターが連泊してまで行きたかった天皇杯決勝、試合前日の活動や当日の様子などを紹介していけたらと思います。
目次
天皇杯決勝戦前日(2022年10月15日)
天皇杯決勝戦の会場は日産スタジアム。開場は試合当日の11時、キックオフは14時で開催されることが事前にわかっていました。 九州在住の私が当日移動したのでは、キックオフには間に合っても、開場には基本的に間に合わないというとことと、移動や早起きの疲労を抱えたまま決勝戦の観戦をしたくないという思いがありました。 そして、1階ゴール裏の声出し応援席をとっている私は、なるべく前列での観戦をするべく開場前には開場待ちの列に並んでおくため、前乗りをすることにしました。
前乗り
午前中には九州を発って、夕方にはあらかじめ予約をしていた新横浜のホテルに到着。 私設応援団の方が前日夜にスタジアムの設営をするための手伝いを募集しているという情報があったため、時間になるまではホテルで休憩。 ちなみに、新横浜と日産スタジアムの間にはビジネスホテルも多くあり、そのうちの1つに泊まりましたが駅にもスタジアムにもアクセスが良く非常に便利な位置にあります。 他にも遠方からのサポーターは同じように前乗りしている方が多くいました。
ゴール裏設営
試合当日の設営手伝いのために前日の日産スタジアムへ。 外は薄暗くなっていたが、同じように前のりしていたサポーターやシート取りしていた方など100名以上が設営手伝いに集まっていました。
試合で選手のモチベーションをあげてもらうための設営、 具体的にいえば、ヴァンフォーレ甲府側のゴール裏のコレオグラフィの設営です。 およそ90分かけて準備したころには外もすっかり暗くなっていました。 思っている以上に大変なスタジアム設営にクラブスタッフや私設応援団の陰の努力に感動しつつ、お腹も減りちょうど夕飯時にもなっていたので、観光がてらラーメン博物館で食事をして宿に戻りました。 観客の入っていない空のスタジアムに入ることができるという貴重な体験もできました。
天皇杯決勝戦当日(2022年10月16日)
決勝戦とだけあって、私含めサポーターは緊張と興奮で十分に眠れなかった方も多いようです。 まるで、昔の遠足前日の夜を過ごした後の動きを紹介します。
早朝スタジアム訪問
眠れなかったというか、早く目が覚めたのでホテルから散歩にスタジアムに向かってみると 朝6時だとさすがに早すぎたのか、まだ待機列はできていませんでした。 列整理は9時からということもあるので、前日にシート貼りしている方はまだ時間に余裕があります。 ただ、ごく少しずつではありますが、サポーターとのすれ違うこともあったのでサポーターの朝は早いということを感じました。 私はシート貼りをしていないというのもありますが、あくまで散歩でスタジアムに早く来たというのもあり、ついでの観光としてそのまま続日本百名城の小机城の散策へ。 散策から戻り7時半ごろに、再度スタジアムを見て回りましたが、そのころにはシート貼りをしていた方などが列に1,2割程度入りだしているような状況でした。 応援グッズも宿に置いてきているためそのままスタジアムに残らず、いったんホテルに戻ります。
開場待ち
散歩帰りのスタジアムの人の入りの状況を見て、いったんホテルに戻った後にスタジアムへの来場を前倒しすることに。 少し休んで、近くのカフェで朝食をとってからスタジアムに向かいます。 9時過ぎにスタジアムにつきましたが、この頃には既にスタジアム外の限定グッズショップには長い行列ができており、ゴール裏自由席の入場ゲートにも長い行列ができていました。 1人で観戦する方は、かなり早い時間にスタジアムに向かうなどを考えておかないと、限定グッズの入手と観戦を前列で見るということは難しそうです。 複数人での観戦では役割を決めてどちらもゲットなどはできそうです。 ただし、グッズはネットで受注販売などもされていることもあるので現地で急いで買わなくて済むのであれば、観戦の行列に並ぶことを優先したほうが良いかもしれません。 ちなみに私は遠方からの来場ということもあって、試合が長引くことも考え念のため連泊していたため大きな荷物はホテルに置いて行って試合会場に向かっています。 前泊だけして当日中に帰る場合で大きな荷物がある場合は、試合会場に持ち込まずに新横浜駅や周辺のコインロッカーなどにあらかじめ預けておくことをお勧めします。 試合会場での手荷物検査に時間がかかることと、単純に大きな荷物は観戦の邪魔になってしまうという懸念があります。
開場
開場まで続々と列は伸びていき、結局どこまで伸びたのかかは分かりませんが開場前には相当数が並んでいたものかと思います。 開場1時間半前(キックオフ4時間半前)に並んだことで、でなんとか前方の列をとることはできましたが、ど真ん中とまではいけませんでした。とはいえまずまずの席をとることができました。 コロナウイルス対策の暫定声出し応援可能試合で、座席は1席飛ばしでしか取れないような状況で座席取りの競争率が普段より激しくなったというのはあると思いますが、自由席で目当ての席をとるには決勝戦や注目の対戦カードでは早く来るかシート貼りをするに越したことはないですね。
初来訪の日産スタジアム。 普段なかなか来ることができない日本最大のスタジアムでは散策などいろいろやりたいことはあるので、 広いスタジアムなので、座席をうっかり忘れても大丈夫なよう念のため座席番号の写真を撮ってからスタジアム内の散策へ。 ちなみに、天皇杯の日産スタジアムはいったん入場したら途中退場ができないようになっていました。 (リーグ戦の場合は外の広場でスタグルを楽しむことができ、再入場なども可能なようです。)
天皇杯鑑賞
12時30分まで天皇杯の鑑賞・撮影が可能だったためまずはそちらに向かいました。 優勝クラブが手にすることのできる天皇杯を間近で見られるめったにない機会なので何としても今回見ておきたかったというのもありました。 ましてや、地方の小クラブが天皇杯決勝に進むことができるは二度目があればそれこそ奇跡と呼べるようなものなので見逃せないという気持ちが強かったです。(単に天皇杯を見たいというだけであれば、他にも機会があるといえばありますが・・・) 天皇杯を鑑賞するには列に並んで順番待ちする必要があったため、スタジアムに入ってすぐに列に並んだおかげか、5分ほど並んだあとには鑑賞や撮影ができました。 開場から1時間30分しか展示されないというのと、私が鑑賞を終えたころには列は3倍以上になっていたので、天皇杯を決勝戦のスタジアムで何としても見たいという方は、スタジアムについたらまずは鑑賞することをお勧めします。
スタジアム内散策・スタジアムグルメの堪能
天皇杯(現物)を鑑賞の後はスタグルを堪能するために、スタジアム内のショップへ向かいました。 人気のあるスタグルを狙うのであれば長い行列は覚悟しておいたほうがよさそうです。 天皇杯限定の崎陽軒のお弁当なども販売されていました。 リーグ戦の場合は外にもスタグルを売っていたりもするのですが、天皇杯ではいったん入場してしまうと外に出られないルールとなっていたためスタジアム内のお店で売っているグルメを堪能することにしました。
私は今回もつ煮ライスを購入していただきました。 いろいろなグルメが楽しめるのもスタジアム観戦の醍醐味ですね。 スタグルを楽しんだ後は、スタジアム内で買える天皇杯グッズやクラブグッズの出張店舗へ向かいましたが、目星をつけていたのものは売り切れていました。 後から受注販売でJFA公式HPやクラブ公式のオンライン店舗で買えるものもありますが、現地でしか買えない限定品もあるのでスタジアムの周り方はあらかじめ計画的にしておいたほう良いということを思い知らされました。 そんな中でも天皇杯のプログラムを購入して座席に戻ることにしました。 日産スタジアムでちょっと大変だと思ったことが、スタジアム内の自動販売機にたどり着くのに苦労しました。(実質自販機にたどり着けなかった) お店で飲み物を購入することも可能ですが、キックオフ前やハーフタイムは行列ができていてそれなりに待つことになります。 そのような事情もあるため、あらかじめ水など持ち込み可能なペットボトル飲料は多めに持ち込むのがおすすめです。
持ち込みできるペットボトルの本数の制限はありませんが、601ml以上のものは持ち込みできないので注意してください。 また、スタジアム周辺にも自動販売機やお店も十分にはないこともあるので、スタジアムに向かう前に購入しておいたほうが良いです。 電車であれば、新横浜方面からは駅もしくは途中にあるコンビニなどで購入する必要があります。 小机方面からは小机駅からスタジアムまではお店がないので、駅の南口にあるスーパーやコンビニで購入しておきましょう。
選手練習鑑賞・スタジアムイベント鑑賞
スタジアムでグッズの購入や撮影、食事などをしていると入場してから2時間というのはあっという間に過ぎます。 キックオフ60分を切るくらいになってくると、ピッチ上での選手の練習が始まります。 シュート練習などを見ているとピッチ上でのイベントが始まります。
スタジアムイベントでは、海上自衛隊の演奏や天皇杯伝統のクラブのエンブレムを描いた旗を用いた舞踊、天皇杯の文字を書いた大きな一枚布を広げるパフォーマンスを見ることができました。 リーグ戦とは異なる演出に感動したそのままの流れで、選手入場へとつながります。
選手入場
選手入場では、大型ビジョンに10カウントが表示され、カウントダウンが始まります。 0までカウントが進むと選手入場となりました。 ヴァンフォーレ甲府側のサイドスタンド(ゴール裏席)では前日に準備したコレオがサポーターによって掲げられ、甲府のチームカラーである青と赤に白の武田菱が浮かび上がり、スタジアムにいる観客や入場する選手を盛り上げました。 写真は撮りたかったですが、コレオを掲げる側だったので写真は撮れずでしたが、あとからネットニュースやテレビ番組、SNSに上がっている画像などを見て、後でひっそりと感動していました。
キックオフ
いよいよメインイベントの天皇杯決勝戦の始まり。 キックオフしてからは、ゴール裏は例にもれず応援合戦に。 試合の展開はキックオフ直後は広島が押し気味になるものの、甲府も盛り返し拮抗した試合に。 試合が動いたのは前半27分、長谷川と荒木のデザインされたショートコーナーから最後は三平が流し込んで甲府が先制。 この後両チームがチャンスを作るも決めきれず、前半は1-0の甲府リードで折り返します。
ハーフタイム
前半の応援の合間にでちびちび飲んでいたペットボトルの中身が減ってきたので、水分補給用のペットボトルを購入するために購入に向かいました。 ただし、前述のとおりスタジアム内に自動販売機がないことやお店も行列ができているので、水一本買うにも時間がかかりました。 普段から試合には500mlのペットボトル飲料3本を持っていっていますが、何が起こるかわからないというのもあったので買い足しをしておくことに。 結果的に、PK戦にまでもつれ込む試合になったので、4本目を買っていて正解でした。
後半~延長~PK戦
後半に入ってからも広島の時間帯、甲府の時間帯が目まぐるしく入れ替わる展開。 総合力で勝る広島の時間が徐々に長くなる中で、交代で入った甲府のウィリアン・リラが打ったミドルシュートは入るかに思われましたが、ポストに嫌われ、今度は広島にチャンスが訪れ、84分に川村が打ったシュートがゴールに吸い込まれ1-1に。 選手層で下回る甲府にとっては不利になるので後半のうちに決めきりたかったところですが、 叶わず、その後も広島の猛攻を何とかしのいだという形でそのまま後半も終了。 5大会ぶりの天皇杯決勝での延長戦に続くことになりました。 延長戦は広島が試合を支配する状況が続きますが、甲府も意地の守りでゴールを割らせません。 甲府としては相手ゴールに迫る力が残っておらず、延長戦を凌いでPK戦までもつれ込ませるしか勝機は残っていない状況。 そのまま延長戦も終了すると思われた延長後半11分に、直前に交代で入ったばかりの甲府の山本が自陣のペナルティエリアで相手のシュートが手にあたり痛恨のハンド。 本大会で格上のJ1クラブを4連続で下してきたJ2ヴァンフォーレ甲府の下剋上もこれで終わりかと思われました。 ところがここでPKを河田が執念のストップ。 こぼれ球をディフェンダーがクリアして絶体絶命の窮地を逃れました。この時のヴァンフォーレ甲府のゴール裏はまるで勝利したかのような盛り上がり様となっていました。 そして、延長戦もどちらもゴールを割ることはなくPK戦へ。 天皇杯決勝でのPK戦は102回目の開催となる天皇杯でも2回目(32大会ぶり)のかなり珍しい試合展開となりました。
PK戦
コイントスの結果、PK決戦はサンフレッチェ広島サポーター側で行われることに。 先攻:広島、後攻:甲府でPK戦は始まります。 1人1人が危なげなくPKを決めていく中、3人目まではお互い譲らない均衡した展開で進行していきます。 ところが、広島の4人目で流れが変わります。 延長後半のPK含め4連続で右に跳んでいた甲府のGK河田がここで初めて左に跳ぶと、相手のシュートをストップ。 河田の本日2度目のPKストップにより流れは一気に甲府に傾きます。 続く甲府の4人目、広島の5人目がそれぞれシュートを沈め、スコアは4-4に。 そして甲府の5人目を迎えます。 ここで甲府が決めればヴァンフォーレ甲府の勝利が決まるというところで、延長後半にPKを献上した山本が登場。 甲府在籍20年でサポーターにも絶大な人気を誇る”オミ”(山本の愛称)の最終局面での登場という出来すぎなくらいの見せ場に熱いものがこみ上げてきましたが、そんな祈るサポーターを気にしてか気にせずか落ち着いて山本はゴールを決め甲府が天皇杯初優勝を手にしました。 J2クラブがJ1クラブに次々勝利して優勝を手にするという奇跡と下剋上は熱く天皇杯の歴史に刻まれることとなりました。
表彰式
ヴァンフォーレ甲府サポーターにとってはうれし涙なしには語れないとても感動的な表彰式になりました。 これまで天皇杯ベスト8が精いっぱいだったクラブがカップを掲げる姿は忘れられません。 そして、三平のボケにより笑いありにもなりました。
試合終了後
表彰式後のゴール裏は普段の勝利よりも圧倒的な幸せな時間に。 チャンピオンたちがコメントする時間や一緒にチャントを歌うなどをして盛り上がりました。
退場
喜びを分かち合うゆっくりとした試合後の時間も終わり、スタジアムから退場へ。 ピークをずらして退場してもスタジアムの外はかなり混雑していました。 退場する時間には18時を過ぎており、すっかり暗くなっていました。
勝利の宴
前後泊としていたため、いったん宿に戻って着替えてから改めて新横浜の街へ。 遠征に来ている方も多かったためか、ラーメン博物館の入口には長い行列ができていました。 新横浜駅東口には居酒屋も多くあり、そのうちの1軒で周りで甲府サポーターや広島サポーターが飲んでいる中、一人祝勝会を開催。 勝利の美酒と肴を楽しんで宿に戻りこれまた一人二次会を開催するのでした。
天皇杯決勝戦翌日(2022年10月17日)
熱狂の天皇杯決勝から一夜明けても興奮が冷めることはありませんでした。 平日だということもあって、通勤通学のピークの時間が過ぎてからチェックアウトし、近くの喫茶店で朝食をとって帰りの新幹線の時間まで観光に繰り出しました。
観光
何度も訪問している横浜やみなとみらいで改めて観光することもなかったため、行ったことがない横須賀を観光することに。 世界の三大記念艦の一つであるみかさの見学や海軍カレーを楽しみ新横浜駅へ戻ります。
帰宅
新横浜駅に戻り、横浜F・マリノスのパタパタボードが更新されていることを確認したら 家族や会社へのお土産と帰りの新幹線で食べる駅弁を買って新幹線で帰路へ。 私にとって最長の遠征になりましたが、どうしても見たい試合がある、どうしても応援したいときはこういう遠征も良いかもしれませんね。