【Jリーグ30周年】Jリーグクラブはどう変わった?

1993年に始まったJリーグは、2023年に30周年を迎えました。

10クラブでスタートしたJリーグは2023年には60クラブと6倍にも増えています。

リーグもJ2、J3と下位リーグもできるなど大きく成長しています。

Jリーグクラブ数の変遷を中心にJリーグの歴史を振り返っていきます。

Jリーグ開幕時のクラブ

熱狂忘れられぬ1993年5月15日、満員の旧国立競技場でのヴェルディ川崎VS横浜マリノスの開幕戦を皮切りに、

Jリーグは10クラブからスタートしました。
1993年(Jリーグ発足時)のクラブの分布

1993年:オリジナル10(オリジナルテン)

  • 鹿島アントラーズ
  • ジェフユナイテッド市原(現在:ジェフユナイテッド市原・千葉)
  • 浦和レッドダイアモンズ
  • ヴェルディ川崎(現在:東京ヴェルディ 旧名:東京ヴェルディ1969)
  • 横浜マリノス(現在:横浜F・マリノス)
  • 横浜フリューゲルス(1999年横浜マリノスに吸収合併)
  • 清水エスパルス
  • 名古屋グランパスエイト
  • ガンバ大阪
  • サンフレッチェ広島
これらのJリーグ発足時に存在したクラブはオリジナル10と呼ばれ、

横浜フリューゲルスは1999年にメインスポンサー企業の経営状況の影響で消滅してしまいましたが、

その他クラブは今でもJリーグの強豪クラブとして君臨し続けています。

30年という期間は決して短くなく、スポンサーの入れ替わりやホームタウンの変更(拡大)などからクラブ名(呼称)が変更となったクラブも少なくありません。

マリノスやアントラーズなど当時から変わらない強さを誇り、30年間で一度もJ2降格を経験していないだけではなく常にJ1上位で優勝争いに加わり続けているクラブもありますが、

一方で開幕から2年連続で総合優勝しているヴェルディやナビスコ杯(現ルヴァンカップ)で2連覇を達成したジェフなど2000年代後半から長らく主戦場がJ2に移ったクラブもあり、

実情としてはJ1の強豪としてあり続けているクラブとJ2の沼にはまって抜け出せなくなってしまったクラブに2分化されています。

J3への降格を経験したクラブが一つもないというところはさすがオリジナル10といったところでしょうか。

1994年~1998年:J1新規加入クラブ

  • 1994年加入
    • ジュビロ磐田
    • ベルマーレ平塚(現在:湘南ベルマーレ)
  • 1995年加入
    • 柏レイソル
    • セレッソ大阪
  • 1996年加入
    • アビスパ福岡
    • 京都パープルサンガ(現在:京都サンガF.C.)
  • 1997年加入
    • ヴィッセル神戸
  • 1998年加入
    • コンサドーレ札幌
10クラブで始まったJリーグですが、全国の比較的大きな都市をホームに持つクラブを中心に1998年までに18クラブまで増加しました。

この18クラブというクラブ数が(一部異なる年度もあります)、1999年から2023年までカテゴリ分けされるうえでのJ1リーグのクラブ数の基本的な数字となりました。(2024年からはJ1リーグ20クラブ)

これらの8クラブはJリーグ発足30周年を迎えるまでに何れもJ2リーグ降格の憂き目にあっていますが、

降格してからJ1リーグへの復帰も経験しており、J1上位の常連とはいかないまでもJ1中位の実力は有しており、何れのクラブも現在まで強豪クラブとしてあり続けています。

Jリーグ30周年となりますが、現在でも8クラブ中7クラブがJ1在籍ということからもこのころにJリーグに加入したクラブの安定的な強さが伺えます。

J2在籍の1クラブがJリーグ加入から早々に3度の総合優勝を達成しているジュビロというのが、Jリーグの難しさや勢力図の移り変わりを感じますが、多くのレジェンド選手が在籍してきたクラブの復活が望まれています。

オリジナル10同様にJ3への降格を経験したクラブは1クラブもありません。

J2リーグ発足

Jリーグが発足してから6年後の1999年にJリーグは2部制を導入し、上位リーグのJ1リーグと下位リーグのJ2リーグで運用されるようになりました。
1999年(J2リーグ発足時)のクラブの分布

1999年:J2オリジナル9

  • ベガルタ仙台
  • モンテディオ山形
  • 大宮アルディージャ
  • FC東京
  • 川崎フロンターレ
  • アルビレックス新潟
  • ヴァンフォーレ甲府
  • 大分トリニータ
  • サガン鳥栖
J2オリジナル9と表現しましたが、1999年のJ2のクラブ数は10クラブでスタートしています。

というのも、1998年のJリーグ(現J1リーグ)で1クラブが消滅(横浜フリューゲルス)と1クラブがJ2降格(コンサドーレ札幌)が決まっており、1999年はJ1は16クラブ、J2は降格した1クラブと新規参入の9クラブの10クラブで運用されることとなりました。

これらのクラブの中には今やJ1優勝クラブの常連であったり、J1に定着しているクラブもあります。

また、J1昇格とJ2降格を複数回経験している通称エレベータークラブも多いのが特徴です。

ヴァンフォーレ甲府はクラブ存続危機を乗り越えて天皇杯優勝を手にしていたり、

大分トリニータがJ3降格経験を持ちますが、翌年にはJ2に戻り、翌翌年にはJ1昇格を決めているなど

トラブルはありつつも今でも確かな実力を持つクラブが多いような傾向がみられています。

2000~2014年:J2新規加入クラブ

  • 2000年加入
    • 水戸ホーリーホック
  • 2001年加入
    • 横浜FC
  • 2005年加入
    • ザスパ草津(現在:ザスパクサツ群馬)
    • 徳島ヴォルティス
  • 2006年加入
    • 愛媛FC
  • 2008年加入
    • FC岐阜
    • ロアッソ熊本
  • 2009年加入
    • 栃木SC
    • カターレ富山
    • ファジアーノ岡山
  • 2010年加入
    • ニューウェーブ北九州(現在:ギラヴァンツ北九州)
  • 2011年加入
    • ガイナーレ鳥取
  • 2012年加入
    • 松本山雅FC
    • FC町田ゼルビア
  • 2013年加入
    • V・ファーレン長崎
  • 2014年加入
    • カマタマーレ讃岐
J2発足以降はJ3ができるまでの間に16クラブが新規参入を果たしました。

これらのクラブの特徴はさまざまで、J1リーグの常連となっているクラブはないものの、

横浜FCを筆頭にJ1への参入を経験しているクラブや、

ファジアーノ岡山など昇格や降格をせずに常時J2に在籍しているJ2の主ともいえるクラブ、

ガイナーレ鳥取やカマタマーレ讃岐のようにJ3に降格して以降J2復帰を果たせず苦労しているクラブなど三者三様となっているのがこの時期に加入したクラブの特徴です。

J3リーグ発足

J2発足から15年後である2014年にJ3リーグが発足しました。

Jリーグ開幕30周年となる2023年時点でもこの時にできたJリーグ3部制が採用されています。
2014年(J3リーグ発足時)のクラブ分布

2014年:J3新規参入クラブ

  • グルージャ盛岡
  • ブラウブリッツ秋田
  • 福島ユナイテッドFC
  • Y.S.C.C.横浜
  • SC相模原
  • AC長野パルセイロ
  • ツエーゲン金沢
  • 藤枝MYFC
  • FC琉球
J3が発足した2014年にはJ2に1クラブ(カマタマーレ讃岐)、J3に上記9クラブが新規参入しました。

J3初年度は12クラブでスタートをしており、9クラブに加え前年にJ2から降格したガイナーレ鳥取、J2からJFLに降格した後にJ3に参入したFC町田ゼルビアの他、2014年と2015年の2年間限定でJリーグ・アンダー22選抜が存在していました。

そのように新規参入したクラブ以外も多く、変則的な状況からスタートしたJ3リーグですが

これらのクラブの特徴としては、J3からJ2への昇格経験のあるクラブも少なくなく、

J2昇格を決めた勢いで翌年のJ2リーグ途中までで一時的にJ1自動昇格圏や昇格プレーオフ圏に手が届く位置まで登りながらも、リーグ後半に失速し、昇格数年でJ3に降格していく傾向にあります。

J1昇格を決めたクラブはなく、J3中位もしくはJ2下位が定位置となっています。

この中では近年は金沢や秋田がJ2に定着しつつあります。

2015~2023年:J3新規加入クラブ

  • 2015年加入
    • レノファ山口FC
  • 2016年加入
    • 鹿児島ユナイテッドFC
  • 2017年加入
    • アスルクラロ沼津
  • 2019年加入
    • ヴァンラーレ八戸
  • 2020年加入
    • FC今治
  • 2021年加入
    • テゲバジャーロ宮崎
  • 2022年加入
    • いわきFC
  • 2023年加入
    • 奈良クラブ
    • FC大阪
2015年からは9クラブがJ3に新規加入しました。

現在もJ3に在籍するクラブも多いですが、

加入初年度からJ3上位に入るクラブや、いきなりJ2昇格を決めるいわきFCのようなこれまで日の目を見なかっただけで実はとんでもない力を秘めているようなクラブもあり、J3を混沌とさせ、リーグを沸かせています。

J1に昇格した経験を持つクラブや、J2上位の常連となるようなクラブはまだありませんが、

レノファ山口のようにJ2に定着し虎視眈々とJ1昇格の機をうかがっているようなクラブもあり、

2015年以降にJリーグに参入してきたクラブのこれからや、2014年J3発足時に誕生したクラブと合わせて18クラブの中から抜け出して最初にJ1昇格を決めるのはどのクラブかなどこれからにも注目です。

Jリーグ発足30周年時点でのリーグ

Jリーグ30周年を迎える2023年シーズンは、新たにJFLから昇格した奈良クラブと大阪FCを加え60クラブとなりました。

リーグにおいても、3部制を要するまでとなり大きく拡大しています。
2023年(Jリーグ発足30周年)時点でのクラブ分布
2023年時点のJリーグクラブの本拠地をマップにしてみました。

分布図を見てのとおり、10クラブから始まったJリーグは30年の歴史の中で北海道から沖縄まで各地に広がり、

国内でも屈指の人気を誇るプロスポーツリーグになるまで発展しました。

Jリーグに参入している都道府県も41都道府県にまでなり、

参入しているクラブのない都道府県も6県ありますが、
(2023年時点でJリーグに参入しているクラブがない都道府県は福井県、三重県、滋賀県、和歌山県、島根県、高知県)

何れの県においてもJFLに在籍しているクラブが存在している、もしくは地域リーグに参入しており、

サッカー観戦が身近なものになっていることがわかります。

クラブにおいては、オリジナル10などに見られるような大規模なスポンサーを持ち資金力のあるビッグクラブ中心のものから、

特定の大規模スポンサーを持たずに地域の多くの企業がスポンサーとなって資金をクラブに提供して運営しているようなスモールクラブまで幅広く見られるようになりました。

Jリーグ発足から変わっていったことを上げていくときりがないですが、

これからのJリーグがどのように変わっていってどのように発展していくかについても楽しみがつきません。

今回の記事はここまでとします。